使用方法
2015年06月03日 13:38
はじめに(教会暦の組み立て方と牧会祈祷・聖餐式文・祝祷の用い方)
Ⅰ.教会暦の要素
教会暦を組み立てる場合、固定祝日と移動祝日があります。(教派によって、呼び方等が違う場合が多数あります。ここでは、日本基督改革派教会善通寺教会で採用しているものを記しています)
1.固定祝日は、12月25日(降誕日)、1月1日(主イエスの命名日)、1月6日(公現日)です。
2.移動祝日は、復活日(春分の日〔ほぼ3月21日〕を起点とし、次の満月の次の主日)です。復活日が移動するために移動するのは、灰の水曜日(復活日の前日から、主日を除いた40日前の水曜日〔この日から受難節(レント)〕)、棕櫚の日曜日(復活日の前の主日)、昇天日(復活日から40日後の木曜日)、聖霊降臨日(復活日から50日後の主日)、三位一体祝日(聖霊降臨日の次の主日)、宗教改革記念日(10月31日の最も近い前主日)があります。
Ⅱ.教会暦の作成方法
1.待降節第1主日から12月25日(降誕日)まで
待降節は12月25日(降誕日)以前の4つの主日をあてます。従って、待降節第1主日は11月26日~12月2日、待降節第2主日は12月4日~12月10日、待降節第3主日は12月11日~12月17日、待降節第4主日は12月18日~12月24日にある主日になります。
但し、12月25日(降誕日)が主日でない場合、直前の待降節第4主日に当たる日に、降誕日礼拝を持つことが普通になっています。
2.12月25日(降誕日)から1月6日(公現日)まで
12月25日(降誕日)直後の主日(12月26日)から1月6日(公現日)までが、降誕節です。降誕節は、降誕日後第1主日(12月26日~1月1日)です。
12月25日(降誕日)から1月6日(公現日)までに2主日はさまることがあります。その際、2主日目は、降誕日後第2主日とします(1月2日~5日)。
3.1月6日(公現日)
1月6日(公現日)は固定祝日ですが、主日にお祝いしたいという要望を受けて、直前の主日(12月31日~1月5日)にお祝いする教会もあるようです。
4.1月6日(公現日)以後
1月6日(公現日)以後は、6つの主日を数えます。公現日後第1主日(1月7日~13日)、公現日後第2主日(1月14日~20日)、公現日後第3主日(1月21日~127日)、公現日後第4主日(1月28日~2月3日)、公現日後第5主日(2月4日~10日)、公現日後最終主日(2月11日~17日)です。
但し、復活日の大幅な移動により、公現日後第4主日(1月28日~2月3日)、公現日後第5主日(2月4日~10日)については、復活日が早い時には、なくなる場合があります。復活日が3月22日〔閏年〕~3月23日の場合は公現日後第4主日が公現日後最終主日、復活日が3月24日〔閏年〕~3月31日の場合は公現日後第5主日が公現日後最終主日となります。
また、公現日が主日であり、復活日が3月23日〔閏年〕と3月24日の場合は、公現日後第4主日が公現日後最終主日となります。公現日が主日であり、復活日が3月23日〔閏年〕と3月24日、3月30〔閏年〕と3月31日、4月6日〔閏年〕と4月7日、4月13日〔閏年〕と4月14日、4月20日〔閏年〕と4月21日の場合、公現日後第5主日が公現日後最終主日となります。公現日後主日の数え方は、第1、第2と繰り上げて数えます。
5.復活日は3月21日を起点とし、次の満月の次の主日です。複雑な計算方法ですから、2010年~2124年を別表として添付します(日本キリスト改革派三郷教会ホームページ「イースター特集」を参照した)。
ちなみに、簡易な計算方法(コンプトゥス)は下記の通りです。
1.まず調べたい年の西暦年を19で割った余りを計算します。 (例えば2006年の場合は19で割って余りが11) 2.その余りに11をかけて225から引いた数字をDとします。 (D=225-11×11= 104) 3.もしDが51以上の時は51未満になるまで30で引き、改めてそれをDとします。 (D=104-30-30=44) 4.もし、Dが48よりも大きい時はそれから1を引きます。 (D=44なのでそのまま) 5.西暦年と、西暦年を4で割った数字(小数点以下切り捨て)と、D+1とを足し、それを7で割った余りをEとします。 (2006+501+44+1=2552となり7で割ると余りが4なのでE=4) 6.Dに7を足してEで引き、それをQとします。 (Q=44+7-4=47) 7.もし、Qが31以下の時はイースターは3月でその数字がイースター日付を表わします。Qが32以上の場合はイースターは4月でQから31を引いた数字が日付を表わします。 (Qは47なので、イースターは4月そして日付は47-31=16日) (堺福音教会 東京チャペル tokyo@jec-net.org参照した) |
6.灰の水曜日
灰の水曜日は、復活日から主日を除いて40日前の水曜日にさかのぼります。
7.受難節と受難節前主日
受難節は、復活日前日から主日を除いて40日前の灰の水曜日の直後の主日から受難節第1主日、受難節第2主日、受難節第3主日、受難節第4主日、受難節第5主日、受難節第6主日(棕櫚の日曜日)です。
但し、復活日が4月6日〔閏年〕から4月13日の場合は、受難節第1主日の前の主日を受難節前第1主日として補います。復活日が4月13日〔閏年〕から4月20日の場合は、さらに受難節前第1主日の前の主日を受難節前第2主日として補います。4月20日〔閏年〕から4月25日〔閏年〕の場合は、さらに受難節前第2主日の前の主日を受難節前第3主日として補います。
8.昇天日
昇天日は、復活日から40日目の木曜日です。もし、昇天日の前の主の日に昇天日を覚えたい場合は、復活日後第5主日に替えて、昇天日の祈祷をお用い下さい。
9.聖霊降臨日
聖霊降臨日は、復活日から50日目の主日です。
10. 三位一体主日
三位一体主日は、聖霊降臨日の直後の主日です。
11. 三位一体主日後について
三位一体主日後については、三位一体主日後第1主日から、最長三位一体主日後第27主日を数えます。
但し、例えば、聖霊降臨日が6月12日或いは13日の場合、三位一体主日後第22主日までですが三位一体主日後第18主日のあと、宗教改革記念日に飛び、三位一体主日後第25主日以後第27主日までを用います。
詳しくは、別表『三位一体主日後カレンダー』をご参照ください。
その年の最後の三位一体主日後の主日は、三位一体主日後最終主日と書いてもかまいません。しかし、牧会祈祷を使用する場合には、「Ⅲ.牧会祈祷採用についての注意」を留意して下さい。つまり、始めの方を削ってあり、途中、宗教改革記念日に飛び、最後は第27主日で終わると言うことです。
12, 宗教改革記念日について
宗教改革記念日はプロテスタントとしては、覚えなければならない記念日です。この記念日を挿入するために、宗教改革記念日の期間に当たる三位一体主日後主日にあたる番号は、そのままです。例えば、三位一体主日後第23主日が宗教改革記念日の場合、その直前の主日は第22主日、直後の主日は第24主日と数えて下さい。
13. 1月1日(主イエスの命名日)、1月6日(公現日)、灰の水曜日、聖餐式聖定日(聖木曜日、洗足木曜日)、受難日(聖金曜日)、昇天日については、採用するかどうかは自由です。
14. この他、必要と思われる早見表を巻末に添付しています。
Ⅲ.牧会祈祷採用についてのご注意
1.もし待降節第4主日に、降誕日礼拝を行う場合は、降誕日の祈祷を使用して下さい。
2.降誕節第2主日はない場合があります。
3.公現日前の主日に礼拝を行いたい場合には、公現日の祈祷を使用して下さい。
4.公現日が主日である場合、次の主日には公現日後第2主日の祈祷を使用して下さい。その後は、第3、第4、第5、最終の順に使用して下さい。数え方と祈祷文の使用とは異なっています。また、それぞれにテーマがあります。主イエスの御跡を慕うものです。
5.公現日後主日について、復活日が早いために、復活日が3月22日〔閏年〕~3月24日の場合は公現日後第4主日が公現日後最終主日、復活日が3月24日〔閏年〕~3月31日の場合は公現日後第5主日が公現日後最終主日となります。いずれの場合も公現日後最終主日の祈祷を使用して下さい。
6.受難節前主日がある場合には、受難節前主日の祈祷を使用して下さい(受難節前第3主日、受難節前第2主日、受難節前第1主日)。
7.三位一体後主日の祈祷は、第1、第2ではなく、月日で区切っています。それは、復活日の移動範囲が広いために、季節感などが大幅にずれるからです。数え方は、第1、第2と順次数えて、祈祷は第1、第2にこだわらず、月日で区切ったものを使用して下さい。
8.宗教改革記念日については、祈祷と月日期間を一致させています。但し、三位一体主日後主日の数え方は、「Ⅱ.教会暦の作成方法 12」の通りです。
9.三位一体後主日の最終主日を「王なるキリスト」で終わるために、11月20日から26日が主日にあたる場合、第27主日(最終主日)の牧会祈祷をあてて下さい。但し、三位一体後の数え方は、順繰りで数えて下さい。
Ⅲ.牧会祈祷の内容についてのご注意
1.聖句の引用は新共同訳を用いています。
2.「 」でくくられて、( )で聖書個所が記されているものは、聖書から直接引用しているものです。
3.「 」でくくられておらず、聖書個所が( )の中に記されているものは、言い換えて適用しています。例えば「あなたがた」を「私たち」に言い換えています。
4.この牧会祈祷は、参考例ですので、吟味した上で、ふさわしくないと思われる部分は、他の祈祷に書き換えて下さい。
5.一つの主日に2つ以上記されている場合もあります。選択して使用して下さい。
6.最後の
「病のため、高齢のため、また、やむを得ずして、この礼拝に出席できない兄弟姉妹に慰めと平安を与え、一時でも主を仰ぐことが出来るように導いて下さい。
旅の内にある兄弟姉妹、他住の兄弟姉妹、全世界の各地で困難を覚えておられる兄弟姉妹をお守りください。」
の部分は、必要がある場合には、項目を随時付け加えて下さい。参考資料として「祈祷の参考に」を巻末に添付しています。
Ⅳ.おことわり
1.1月1日(主イエスの命名日)については、元旦礼拝ないし新年礼拝に異教的感性が強いために廃止し、聖書的根拠(ルカ2・21)のある「主イエスの割礼及び命名」を覚える時としました。主イエスが肉を取られ、人間が受けるべきものを身にまとわれたことを覚えることは意義深いと思われます。なお「主イエスの命名日」ないし「主イエスの割礼日」を多分にカトリック的だと思っておられる方々のために、プロテスタントでも採用例があることをここに明示しておきます。「第二スイス信仰告白 第24章 祝日、断食、および食物の選別について」に「(キリストと諸聖人の祝日)さらに、もし教会がキリスト教的自由のゆえに主の誕生、割礼、受難と復活、同様に昇天と弟子たちへの聖霊の派遣の記念を敬虔に祝うのであれば、われわれはこれを大いに喜んで承認する(『改革派教会信仰告白集 Ⅲ』p.234、一麦出版社)」とあります。この中の「割礼」にあたります。